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玉木雄一郎で始まり玉木雄一郎で終わる加計学園と京都産業大学問題(敬称略)

 

 

 

なるほど、玉木氏はいつもイイことを言う。

ちょうどココら辺について書きたかったところだ。

 

この加計学園京産大の問題。

獣医師会側から時系列で追ってみると、実はとても面白いと私は思っている。

なので日本獣医師会の視点を中心にして『なぜ京都産業大学が外されたのか』との問いの本質に迫ってみようではないか。

 

2015年6月 石破4条件

 

話題になっている「石破4条件」は平成27年(2015年)6月に登場する。

内容は以下のとおりだが、小難しそうだなと思う人は読みとばしてしまっても特に問題はない。

 

石破4条件

 

  1. 現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具体化し、
  2. ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき具体的需要が明らかになり、かつ、
  3. 既存の大学・学部では対応困難な場合には、
  4. 近年の獣医師需要動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う。

 「『日本再興戦略』改訂2015」 P121 (平成27年6月30日 閣議決定

 

 問題はここからだ。

この石破4条件に対して、日本獣医師政治連盟委員長の北村直人氏(肩書が今もそうかは調べていない)が面白いことを言っている↓

 

「現在の提案主体による既存の獣医師養成ではない構想が具体化し,ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における需要が明確になり,かつ,既存の大学,学部では対応が困難な場合には近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ,全国的見地から本年度内に検討を行う」という文言が出てまいります.

3 つの条件が付いています.つまり,新しい大学を作りたいところが既存の獣医師養成機関でないという構想が具体化すること,次に,獣医師が新たに対応すべき分野の需要の要請があるということが2 つ目,かつ,16獣医学系大学においてそれに対応できない場合ということが3 つ目の条件となりますが,この獣医師養成の大学・学部の新設の可能性はこの3 つの条件によりほとんどゼロです

16 獣医学系大学で対応できない獣医師はいない訳ですから,現存の獣医学系大学でこれらができるということは当然です.石破担当大臣と相談をした結果,最終的に,「既存の大学・学部で対応が困難な場合」という文言を入れていただきました.

 

最終的には,今回の獣医師養成大学・学部の新設については,どこを読んでもこれを覆すような状況は一つも見当たらない,つまり,新しい獣医学系大学・学部の設置はできないということが今回の骨太方針,成長戦略の文言に書いてあると考えております.

 

「日本獣医師会 平成27年度 全国獣医師会事務・事業推進会議の開催」P546 平成27年7月10日

 

昨日,藏内会長とともに石破茂地方創生大臣と2 時間にわたり意見交換をする機会を得た.その際,(石破)大臣から今回の成長戦略における大学,学部の新設の条件については,大変苦慮したが,練りに練って誰がどのような形でも現実的に参入は困難という文言にした旨お聞きした.このように石破大臣へも官邸からの相当な圧力があったものと考える.

 

「日本獣医師会 平成27年度 第4回理事会の開催」P670  平成27年9月10日

 

ポイントは太字の部分だ。

あくまで日本獣医師会(の一幹部)の発言という前提をつけさせてもらうが、つまりはこういうことだ↓

 

  • 石破4条件は「質の高い獣医学部を作る」ためのものというより、むしろ「獣医学部を新設させない」ためのものである
  • 石破大臣に相談して、日本獣医師会は結果として「新しい獣医学部を作らせない」ための条件を盛り込むことに成功した

 

 

 

加計学園は石破四条件を満たしていないではないか!」との主張を、最近よく目にする。

しかしもし本当に日本獣医師会の狙いどおりであれば、これは当然の話ではないか。

なぜなら獣医学部を新設したい大学の中で、石破4条件を満たすようなところなんてソモソモないのだから。当然、京都産業大学も例外ではない。

つまり「加計学園が石破4条件を満たしているかどうか」という議論自体が、不毛なものなのかもしれないということだ。

 

 

 

 

2015年12月  今治市が国家戦略特区に指定される

 

なんとかして獣医学部新設を阻止しようとした日本獣医師会だが、第一関門は突破されることになる。今治市が国家戦略特区に指定されたのだ。

正式な指定は2016年(平成28年)1月29日だが、2015年12月段階ですでに決まっていたようだ。

 

↓は先ほどと同様、北村直人氏(日本獣医師政治連盟委員長)の発言だが、北村氏の懸念が現実となったワケだ。

 

日本の最高権力者である内閣総理大臣が(獣医学部を)作れと言えばできてしまう仕組みになっておりますので,こういう文言(石破4条件)を無視して作ることは可能です.内閣がもしこれを行うのであれば私たちは現在の内閣に対して敵に回らざるを得ないのですが,獣医師会としては抵抗勢力にはなりたくない,抵抗勢力としてマスメディア等々で取り上げられ,獣医師会は抵抗勢力である,訳の分からないことを言っている団体だということになりますと,世論の風当たりは強いものになります.

 

「日本獣医師会 平成27年度 全国獣医師会事務・事業推進会議の開催」P546 平成27年7月10日

 

 

また今治の特区指定について、日本獣医師会会長の藏内勇夫氏はこのように言っている↓

 

12月15日(火)の昼、耳を疑うような驚きのニュースが飛び込んできました。
 午前中に開催された国家戦略特区諮問会議において、国家戦略特区3次指定が決定されました。
 全国16の獣医学系大学、日本獣医学会、日本獣医師政治連盟、本会等が揃って長年にわたり設置に反対してきた獣医師養成系大学・学部の新設案件です。

 

 今後は、提案主体である学校法人等が、内閣府文部科学省等と具体的な区域計画等について協議を進めていくことになります。その協議過程においては、上記の4条件や大学・学部の設置基準等への適合状況等について審査が行われるものと見込まれます。獣医学系大学、政連等における獣医学部新設反対の活動は、これからが本格的な山場に入ったとも考えられます。
 そして更に注意を要することは、本件を契機として次々と設置申請が認可されることは、何としても阻止しなければなりません。今回の特区指定は、文部科学省、獣医学系大学等多くの関係者による30年以上にも及ぶ獣医学教育の世界水準達成に向けた努力と教育改革に、全く逆行するものです。

 

会長短信「春夏秋冬(29)」 

 

ポイントは太字の部分だ。

つまりはこういうことになる↓

 

  • 今治市が誘致する大学の獣医学部新設への反対活動は、これからが本格的な山場だということ
  • 今回のことを皮切りに次々と獣医学部の設置申請が通ってしまうことは是が非でも阻止しなければいけないということ

 

 さらにここに文部科学省の文字が出てきているところも香ばしいが、妄想になるのでやめておく。

 

どうだろうか。

日本獣医師会幹部たちのこのような発言を見ただけでも、獣医学部を新設することがいかに難しそうか容易に想像ができるのではないか。

さらにはココに文部科学省などの関係省庁や族議員、反対議員なども絡んでくるのだ。

「総理のご意向」文書を読んだときにも思ったが、「岩盤」規制とはよく言ったものである。

 

2015年12月  京都産業大学獣医学部新設に向けて動き出す

 

京都産業大学獣医学部新設へと具体的に動き出したのは、今治市が国家戦略特区に指定されたタイミングとほぼ同じだったようだ↓

 

平成27年12月2日に、大阪府を除く5府県の知事連名の「京都産業大学獣医学部設置に関する要請書」を文部科学省農林水産省厚生労働省に持参し、協力を要請

 

「京都府 創薬分野等における新たな獣医師の育成について」平成28年6月 

 

もし何らかの疑惑が持たれる可能性があるのだとすると、ココだろう。

 

先の藏内勇夫氏(日本獣医師会会長)の発言から推測するに、平成27年12月上旬にはすでに今治市の特区指定はほぼ決まっていたようだ。

なので例えば、京産大獣医学部新設に向けて動き出したのを知って、(安倍総理のオトモダチの加計学園のために)急いで今治の特区指定をしたみたいな妄想はもしかしたらできるのかもしれない。

しかし今のところ、この部分は特に問題にもなっていないようだし、当然ながら私も何の新情報も持っていないので妄想のまま終わらせておく。

 

何にせよ注目したいのは、2015年12月の段階で今治市はすでに「今治市獣医学部を新設できる」という課題はクリアし、次の「実際にどの大学が今治市獣医学部を作るか」の話になっているということだ。

 

京都産業大学がもし「今治市獣医学部を新設したい」と言っていたのにも関わらず落とされていたとしたら、巷で言われているような「なぜ優秀な京産大ではなく加計なんだ?!」という疑惑は理解ができる。

しかし実際は「加計vs京産大」という図式自体が間違っているのである。

さすがにここまで読んでくださって理解できない方はいないと思うが、今治市獣医学部新設と京産大獣医学部新設は別の話なのだ。

 

なぜ京都産業大学が外されたのか

 

 

 さて『本質』とやらに戻ることにしよう。

 

「なぜ京都産業大学が外されたのか」

この問いに対し、玉木雄一郎氏は多くの方にこう言わせたいのではないか↓

安倍総理加計学園理事長とオトモダチだから、『広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域 に限り』という新条件まで追加して京産大を外しにかかった」

と。

 

しかし先ほど述べたとおり、加計学園京都産業大学はvsという図式にはならない。

ではなぜ京産大が外されたのか。

日本獣医師会会長である藏内勇夫氏の発言を思い出して欲しい↓

 

そして更に注意を要することは、本件(今治市の特区指定)を契機として次々と設置申請が認可されることは、何としても阻止しなければなりません。

 

 

 誤解がないように言っておくが、私は「安倍総理のオトモダチ」説を否定する気はない。可能性としてはあると思っている。

しかし同時に、

京産大が外されたのは『次々と設置申請が認可されることを何としても阻止したい』日本獣医師会、官僚、政治家等の努力が実ったから」

という推測の方が可能性は高いと思っている。

 

もちろんこの推測も断言することはできない。

安倍総理のオトモダチ」説と同様、決定的な証拠がないからだ。

 

 

その上で最後、玉木氏のこのツィートで締めくくろと思う↓

 

 

 

 

追記

 

今回の記事は、「大師小100期生集まれ!」というブログをおおいに参考にさせてもらった。

数記事しか拝読できていないが、加計学園問題などについてとても詳しく書かれているので、興味のある方は是非ご覧ください。

 

 

加計学園問題における超「国語力」のある方々

 

以下のような国語の問題があったとする。

 

問題

次の文章を読んで「官邸の最高レベル(の人物)は、なぜ最短のスケジュールを作成して共有して欲しいと言っているのか」を答えなさい。

成田市の案件とは「国家戦略特区である千葉県成田市国際医療福祉大学が医学部を新設する」というものである。

 

平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。成田市(の案件)ほど時間はかけられない。これは官邸の最高レベルが言っていること。

 

正解はこうだろう。

 

答え

成田市(の医学部新設案件)ほど時間をかけることができない」と官邸の最高レベル(の人物)が感じているから

 

もっと言うと「最短のスケジュール」となっているところから、「成田市の案件は時間がかかりすぎた部分が失敗だったと官邸の最高レベルが感じている」という要素を加えても良いかもしれない。

 

つまりこの文章を素直に解釈すれば、成田市の医学部新設案件は時間がかかりすぎた点が失敗だった。今回の獣医学部の件ではその反省を踏まえ、最短のスケジュールで進めたい」となるはずだ。

 

しかし我々は大人になるにつれて、どうも普通の国語力を超越した「超国語力」が身につくらしい。

こんな普通の回答はすっ飛ばして、超国語力を持つ大人はこう答える。

安倍総理と加計 孝太郎氏(加計学園長理事長)がオトモダチだから」

 

「総理のご意向」メモが重要ならなおさら

 

誤解なきよう言っておくが、私は「安倍総理と加計 孝太郎氏(加計学園長理事長)がオトモダチだから」という理由を否定しているのではない。その可能性は十分にあると思っている。

 

しかしこの「総理のご意向」文書を見る限りにおいては、官邸の最高レベルも総理も「成田市の医学部新設案件」のことがあって文科省にプレッシャーをかけている可能性の方が圧倒的に高い。

「総理のご意向」文書の全文はここに載っている)

 

なので別にオトモダチの線を探るのは自由だが、だったらそれより可能性の高い「成田市の医学部新設案件」の方をもっと探った方が良いのではないかというのが私の意見だ。

少なくとも「これは超重要な文書だ」と叫んでおきながら、成田市の医学部新設案件をすっ飛ばす神経が私にはどうも分からない。

 

味付けしたことをすっかり忘れてしまう

 

「すっ飛ばす神経が私には分からない」と書いたが、いや、実は理解しているつもりだ。

 

超国語力を持った人たちは、その逞しい想像力をもって「総理がオトモダチに利益供与した」ということをどうしても言いたいのだろう。

超国語力の持ち主たちは、まず問題があってそれに答えるなんて地味なことはしない。発想の逆転である。答えが先にあって、その方向に問題を「超解釈」するのだ。いや、もしかしたら問題すら見ていないのかもしれない。

 

あなたが食堂を経営していたとする。

あなたが作った料理に対して、ある客がカバンの中から謎の調味料をわんさか取り出し、料理が見えなくなるまでかけ続ける。

食べ終わった後、その客はあなたにこう言うのだ。

「おたくの料理、イマイチっすね」

 

文書の内容に対して、逞しい想像力で味付けをすることは自由だ。

ただ当然ながら、それは元の料理とは言えない。

もし自分が味付けしたことをスッカリ忘れて、もともとこういう料理だと主張するのであれば、それは何かの病なのかもしれないの注意した方が良い。

 

 

 

左翼がインターネットとの相性よくない理由は、とてもシンプル

 

こんな記事を読んだ。

 

togetter.com

 

「左系がインターネットとの相性よくない理由はとてもシンプルだ」

と私は思っている。

 

理由は2つある。

  1. そもそも左系の思考は、必然的に矛盾するようにできている
  2. インターネットには、過去の言動の記録が消えずに残っている

 

順番に説明していきたい。

 

左翼の思考は矛盾するようにできている

 

「アベガー」「原発ガー」的な人々を左系の典型として考えてみる。

「彼らは一般とは大きく異なる思考をしている」と私は思っている。

それは「言動ではなく、人やモノ基準で正しい正しくない」を決めてしまうところだ。

たとえ善人と悪人が同じ行動をしても、善人には良い解釈を、悪人には悪い解釈を与えるのだ。

 

彼らは決して「安倍晋三は悪」「原発は悪」などといった点をブラさない。

それはまるで、「イエスは神」であることを決してブラさないキリスト教信者のようだ。

そう、この思考は信仰に似ているのだ。

 

たとえば森友問題。

 

流行語になった「忖度」はもちろん犯罪ではなく、ましてや斡旋収賄罪が成立しそうな気配も全くないこの問題に対して、左系が熱心に行った努力は「いかにアベが悪いことをしているか」という空気の醸成だった。

そしてその過程で起こった「安倍総理を責め立てたのと同じ理屈で、辻元清美は説明責任を果たすべきではないか」という疑問には応えず、情報公開を行うどころか、マスコミに対し辻元清美の件には触れないよう要求をしていたことも明らかとなった。

 

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つまり「人を基準にして正しいかどうかを決めてしまう思考」は、言動レベルで矛盾が生じるため、ほぼ必ずブーメランとなって返ってくるのだ。

 

一般的な「公正」とは、言動が正しいかどうかである。

裁判所で「お前がやった証拠は出てこなかったが、お前は前科●犯の悪人だから有罪」なんてことになったらたまったものではない。それこそ魔女狩りになってしまうだろう。

もちろんそこまでは極端ではないものの、この「その人が正しい人かどうか」という思考は、左系に色濃く出る傾向がある。

 

また先ほども述べたように、この思考は「信仰」に近いため、知的レベルに相関しない。

だからこそ、知識人であるはずの経済学者が「安倍を倒すために景気を悪くしよう」などと「健康のためなら死ねる」発言をしてしまうのだ。

 

togetter.com

 

 

 

インターネットは過去の記録を消さない

 

「人基準での公正」は、何も最近始まった話ではない。安保闘争などの歴史がそれを証明している。

 

ただ一方でこの「言動ではなく、人が正しいかどうか」にも良い点がある。

それは「とにかく分かりやすい」ということである。

 

一度その人を善人か悪人か決めてしまえば、あとは楽な話だ。たとえ善人と悪人が同じ行動をしたとしても、善人には良い解釈を、悪人には悪い解釈を与えれば良い。

そしてこの「分かりやすさ」は、インターネット以前のマスコミと大変相性が良かった。なぜなら「マスコミの力が圧倒的に強かった」からである。

圧倒的に分かりやすいことを、圧倒的に強い力で広めるのだ。

都合の悪いことには触れなければ良い。

世の中の空気を狙ったように膨らませることは、そんなに難しい話ではなかったはずだ。少なくとも今よりは圧倒的に簡単だっただろう。

 

しかしインターネットの登場により、マスコミの力は弱まった。

あらゆる方向から水を差すことが可能になったし、また水を差すための証拠もネット上には消えずに残っているのだ。

 

最後に

 

以前にも書いたが、トランプ大統領のシリア空爆を、アメリカの左派の多くは絶賛したらしい。

 

例えばトランプ嫌いで知られるニューヨーク・タイムズニコラス・クリストフも、トランプのこの判断を支持している。

 

 

ニコラス・クリストフ」で検索してもらえるとすぐに分かるが、彼のトランプ嫌いは相当なものである。

同じ左系であっても「人基準か言動基準か」でこのような違いが出るのだと、私は思っている。

 

私が知っている限りでは少ないが、日本にも言動基準の左系の人は存在する。

 

 

 

今後「言動基準」で公正さをはかるリベラルが増えることを、私は期待しています。

 

 

 

 

 

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